不妊治療の保険適用について
日本における胚凍結の重要性
日本では凍結胚を用いた治療がスタンダードであり圧倒的に多く、凍結胚を用いた治療周期総数は214,938周期(2019)にもなります。
今回の保険適用では胚凍結保存と凍結胚移植にも点数が新設されました。また新鮮胚移植(7,500点)と凍結・融解胚移植(12,000点)では別点数の算定となっていることからも、治療成績向上のために凍結・融解は非常に重要なものであり、凍結胚を用いた治療を強く推し進めていくとのメッセージであると当社は解釈いたしました。
保険適用対象者について
女性では治療開始時点で43歳未満が対象となり、治療回数は40歳未満の場合、子ども1人につき6回、40歳以上43歳未満は3回が保険適用上限となります。
もちろん男性側に起因する検査なども適用対象となっており、男性には年齢制限が設けられておりません。
一部では、妊孕性の観点から、残り時間の少ない40歳以上と、まだ時間が残されている40歳未満の助成上限回数は逆ではないかなどの声も上がっていると聞きます。
いずれにせよ患者様の費用負担が軽減されたことは、これまで経済的に理由で不妊治療を行えなかった方も含め、大きな福音となることは間違いありません。
日本では凍結胚を用いた治療が主流
この度の決定で、胚凍結保存と凍結胚移植が点数算定により認めらられたことからも、日本では凍結胚を用いた治療の成績や有用性、意義がしっかりと認められています。
日本で2019年に体外受精で生まれた子どもは6万598人。
1983年に体外受精での出産が初めて報告され、2008年は2万1704人で50.3人に1人の割合だったが、2018年には5万6979人で16.1人に1人の割合まで増加しています。
体外受精で生まれた子どもは19年までの合計で総計71万931人にも上ります。
(これは世界の国別人口で数えると165位相当の国の全国民に匹敵してしまう数です。)
また日本では凍結胚を用いた治療が主流で、凍結胚を用いた治療周期総数 214,938周期(2019)にもなります。