病院、培養室の概要を教えてください。
培養士8名と検査担当の2名の10名でベテランから経験の浅いスタッフからまで、
レベルの高い安定した技術を提供することを目標に、培養チームとして働いています。
周期数は、年間で採卵も移植も約750周期です。
Challenge100の提案を受けた際、どのように思われましたか?
2014年に Vitrification Workshop に参加させていただきガラス化凍結法の歴史や原理を学び、実技講習を受けました。
それまでは、他社のガラス化凍結融解液を使用していたのですが、冷却速度を落とさないようにできるだけ小さなドロップで凍結するように努めておりました。平衡後、VS液に投入し1分以内にシートに最小のドロップで凍結するという操作は緊張でストレスでした。
ですが、「クライオテック法の凍結液はガラス化能が高いため、ドロップの大きさはあまり気にしないで良い。」と言うことをお聞きし、経験の浅いスタッフでも気持ちにゆとりを持って安全に操作できると感じ、検討してみようと思いました。
Challenge100の試みに賛同された理由は?
Challenge100は、「使用するキットだけでなく、技術的なトレーニングを無料で提供してくださる」というものでした。
凍結融解液や専用プレートの販売だけでなく、プロトコールが分かりやすい事や我々培養士のためのトレーニングサポートをしっかりしていた事が、胚のストレスだけではなく操作を行う培養士のストレス軽減の面からも、凍結技術の最高の生存率を目指していることが感じられたからです。
実際の手技者(培養士)にとってのメリットなどありますか?
プロトコールが分かりやすいため、スタッフ間での技術の統一化・安心感。それから国内生産というところにも、安心感がありました。
新型コロナウィルス感染症が世界中に広がったことで必要な物品や資源が不足して輸入ができなくなり、数が制限されるなどして普段使用している物品が届かないものもありました。
このような点からも、国内生産されているクライオテック法を使っていることは安心でした。
クライオテック法を凍結融解100症例使用されていかがでしたか?
トレーナーの方が来てくださって、指導をしっかりしてくださったうえでChallenge100に望めたため、スタッフ全員が自信を持って安心して臨めました。
実際にラボでトレーニングを行い、細かい動きや注意点などご指摘いただけた事で、手順や対処法など情報共有できたことが生存率100%に繋がったのではないかと感じています。
また、質問にも丁寧に答えて下さり、サポート体制も整っていたためチャレンジ終了まで心強かったです。
クライオテック製品の使い勝手や使用感などいかがですか?
プレートがとても工夫されていて使いやすいです。ウエルは球状になっているので顕微鏡下で観察しても影ができないので、胚を見うしなうことは、ありません。
融解プレートは、TS専用の角度の付いた斜めの形になっているので、胚が乗ったシート部分を確実に挿入できるような設計になっているため安全に融解できます。
また、プレートの蓋に3mmのインジケーターが付いているので持ち込みの液量が統一される事、加えて平衡完了の指標が分かりやすく培養士間で差がなく安定した操作ができる点が良いと感じます。
加えて、プレートに廃液を排出するためのスペースもあり、キャピラリー内に胚が残ってないことをきちんと確認できる所も使いやすさを感じます。
この先、施設(培養室)として力を入れたいことや目標などあれば教えてください。
卵子凍結です。当院は「認定がん・生殖医療施設」です。
胚凍結保存と同様に、卵子凍結保存においてもガラス化保存法が主流となっています。卵子は胚と比較して凍結融解による影響を受けやすく、生存率や発生能が低い傾向にあります。
がん患者さんにとって、卵子や胚を安全に、長期間その質を落とすことなく保存することが、妊孕性温存の大きな希望となり得ると思いますのでより力を注いでいきたいと思っています。