不妊治療で凍結胚移植が選ばれる理由とは?メリット4選【リプロライフ】|リプロチャンネル【Official Video】

凍結胚移植が選ばれる理由とは?メリット4選【リプロライフ】

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出典元:日本産科婦人科学会 データブック2018

日本では新鮮胚移植ではなく、凍結胚移植が主流となっている現在。ではなぜ、凍結胚移植が選ばれているのでしょうか。
今回は、凍結胚移植のメリットとして、4つのポイントを見ていきましょう。

 

凍結胚移植のメリット4選

1.多胎妊娠の回避
2.卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の回避
3.着床環境の改善による妊娠率の向上
4.患者の身体的、精神的及び経済的負担の軽減

1.多胎妊娠の回避

新鮮胚を複数移植することは妊娠率を高めるのがメリットです。しかし、これによって多胎妊娠をした場合、母体や胎児に対して早産や合併症などのリスクが高くなります。

現在では凍結技術の進歩により胚の凍結保存が可能に。採卵後の胚を無駄にすることなく治療を繰り返し行え、多胎妊娠のリスクを回避できるようになりました。

2.卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の回避

ホルモン治療における副作用として卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が懸念されています。また、OHSSの症状がみられる状態で妊娠した場合、重症化してしまうことを危惧しなければなりません。

凍結胚移植では、あえて新鮮胚移植をせずにすべての胚を凍結させるという選択ができます。その結果、母体に回復するための期間を設けることでOHSSの重症化を回避できるようになりました。

3.着床環境の改善による妊娠率の向上

先ほどのOHSSと同様にホルモン治療の結果、母体が着床しにくい状態になる場合があります。着床環境が整っていない状態だと、もし胚移植を行ったとしても妊娠につながらないかもしれません。

そこで、胚凍結を行うことにより母体の着床環境を整える期間を設けることができます。結果として、妊娠率の向上にもつながっていきます。

4.患者の身体的、精神的及び経済的負担の軽減

凍結胚移植を選択することで採卵の回数を減らすことが可能です。採卵の回数を減らすことは、母体への身体的負担を軽減することにつながります。

また、凍結胚があることは患者の精神的にも安心材料となることでしょう。採卵に伴う経済的負担を軽減できることも、患者にとっては嬉しいことのはずです。

最後に

凍結胚移植はここまでご覧いただいた通り、胚を凍結させることで母体の状態に合わせて治療を進めることができます。治療に伴う母体や胎児へのリスクを回避することが可能です。

また、採卵回数を減らすことであらゆる負担を軽減。一人ひとり違う患者の状態やニーズに合わせて、治療を進められるのが凍結胚移植です。

「治療に伴う、デメリットを限りなく無くすこと。」
それこそが、私たちにできる。最大のメリットなのかもしれません。